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バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

バセドウ病は、甲状腺からホルモンが過剰に分泌されることで、全身にさまざまな不調をきたす疾患です。広島市中区八丁堀にある江草玄士クリニックでは、2000年の開院以来、多くの甲状腺疾患に悩む患者さんと向き合ってまいりました。当院の大きな特徴は、甲状腺ホルモンを院内検査で測定し、受診当日に適切な薬剤量を決定できる体制を整えている点です。広電八丁堀駅から徒歩5分という通いやすい場所で、専門的な知見に基づいた質の高い診療を提供し、患者さんの健やかな日常を取り戻すお手伝いをしております。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の症状について

バセドウ病の症状は多岐にわたり、一見すると更年期障害や心臓の病気、あるいは単なる疲れと見過ごされてしまうことも少なくありません。これは、甲状腺ホルモンが全身の代謝を活性化させる役割を担っているためです。ホルモンが過剰になると、まるで常に全力疾走をしているような状態になり、体に大きな負担がかかります。

全身に現れる主な症状

日常生活の中で、以前とは違う体の変化を感じる場合は注意が必要です。多くの患者さんに見られる代表的な症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • じっとしていても心臓がドキドキする動悸や、脈が速くなる頻脈。
  • 手指が細かく震え、文字が書きにくくなったり箸が使いにくくなったりする。
  • 汗を異常にかきやすくなり、暑がりになる。
  • しっかり食べているのに体重が減っていく。
  • 全身の倦怠感や疲れやすさを強く感じる。

これらの症状は、代謝が異常に高まることでエネルギーが過剰に消費されるために起こります。特に動悸については、ご高齢の方では心房細動などの不整脈を引き起こすこともあるため、早めの受診が重要です。

身体の外見的な変化と目の症状

甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある臓器で、バセドウ病になるとここが全体的に腫れてくることがあります。また、バセドウ病特有の症状として目の変化が知られています。

  • 眼球が前方へ突出して見えるようになる。
  • まぶたが吊り上がり、上の方の白目が見えるようになる。
  • 物が二重に見える(複視)。
  • 目が乾燥したり、異物感を感じたりする。

すべての患者さんに目の症状が出るわけではありませんが、外見の変化に不安を感じて来院される方も多くいらっしゃいます。症状の詳細については「甲状腺の病気の症状 まとめ」のページも併せて参照してください。

精神面や消化器・生殖器への影響

ホルモンの影響は体だけでなく、心や排泄、生理周期にも及びます。自分ではコントロールしにくい変化に戸惑う患者さんも少なくありません。

  • イライラしやすくなり、落ち着きがなくなる。
  • 夜眠れなくなるなどの睡眠障害。
  • 腸の動きが活発になり、便の回数が増えたり下痢をしやすくなったりする。
  • 女性の場合、月経不順や無月経になることがある。

学童期のお子さんの場合は、授業中の集中力が低下したり、学業成績が下がったりすることで発見されるケースもあります。単なる性格の変化や怠慢ではなく、病気が原因である可能性があることを知っておいてください。

バセドウ病の原因について

バセドウ病は、本来は外敵から体を守るための免疫システムが、自分自身の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種です。なぜこのような現象が起こるのか、その根本的な理由は完全には解明されていませんが、遺伝的な体質にストレスや過労、ウイルス感染などの環境的な要因が重なって発症すると考えられています。

自己抗体による刺激

私たちの体の中には、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)を受け取る「受容体」が甲状腺に存在します。通常はこのTSHが受容体に結合することで、必要な量のホルモンが作られます。しかし、バセドウ病の方は、この受容体を勝手に刺激してしまう「自己抗体(TRAbやTSAb)」が体内で作られてしまいます。

この自己抗体が24時間休まず甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺は「もっとホルモンを作れ」という命令を受け取っていると勘違いし、過剰な分泌が続いてしまうのです。この仕組みを理解することは、治療の必要性を納得していただく上でとても大切です。

バセドウ病と鑑別が必要な病気

動悸や体重減少などの症状があり、甲状腺ホルモンが高い数値を示していても、必ずしもバセドウ病とは限りません。治療法が全く異なるため、正確な見極めが必要です。当院では血液検査の結果を元に、慎重に診断を行っています。

無痛性甲状腺炎

慢性甲状腺炎(橋本病)などの経過中に、一時的に甲状腺の細胞が壊れて、蓄えられていたホルモンが血液中に漏れ出してしまう状態です。一時的にバセドウ病と同じような症状が出ますが、数ヶ月で自然に治まることが多いため、バセドウ病のようなホルモン産生を抑える薬は必要ありません。

橋本病についての詳細は「橋本病(甲状腺機能低下症)」のページを参照してください。

妊娠中の一過性甲状腺機能亢進症

妊娠初期には、胎盤から分泌されるホルモンの影響で、一時的に甲状腺ホルモンが高くなることがあります。これは病気ではなく生理的な現象であることが多いため、バセドウ病との区別が極めて重要です。自己抗体の有無やエコー検査などで判断します。

バセドウ病の治療法について

バセドウ病の治療には、主に3つの方法があります。当院では患者さんの年齢、生活スタイル、将来の妊娠の希望などを総合的に考慮し、最適な方法を提案いたします。

1. 薬物療法(抗甲状腺薬)

日本で最も一般的な治療法で、甲状腺ホルモンが作られるのを抑える「抗甲状腺薬」を内服します。お薬には以下の2種類があります。

  • チアマゾール(MMI)・・効果が強く、第一選択となることが多いお薬です。
  • プロピルチオウラシル(PTU)・・妊娠初期の方や、MMIで副作用が出た方に使用されます。

お薬の服用を開始すると、通常1から2ヶ月ほどで数値が安定し、症状が改善します。しかし、お薬をやめると再発する可能性があるため、自己判断での中止は禁物です。症状が落ち着いた状態(寛解)を目指して、数年にわたり根気強く続ける必要があります。

注意すべき副作用について

抗甲状腺薬には、稀ですが注意が必要な副作用があります。特に無顆粒球症といって、細菌から体を守る白血球が急激に減ってしまう状態には最大限の警戒が必要です。高熱や強いのどの痛みが出た場合は、直ちに服用を中止し、当院または救急医療機関を受診してください。治療開始後数ヶ月間は、定期的な血液検査で白血球や肝機能のチェックを欠かさず行います。

2. 放射性ヨウ素治療(アイソトープ治療)

放射性ヨウ素のカプセルを服用し、甲状腺の細胞を内側から減らしてホルモン量を抑える治療法です。お薬での治療が難しい場合や、再発を繰り返す場合、早期の改善を望む場合に検討されます。安全性は確立されており、米国では主流の治療法ですが、妊娠中や授乳中の方は受けられません。また、将来的に甲状腺機能低下症になり、ホルモン補填が必要になるケースが多いのが特徴です。

3. 手術療法

甲状腺の一部を残して、大部分を摘出する方法です。以下のような場合に選択されます。

  • 甲状腺の腫れが非常に大きく、圧迫感がある場合。
  • 抗甲状腺薬で副作用が出てしまい、継続が困難な場合。
  • 早期に確実に治して、妊娠・出産を望む場合。
  • 甲状腺の中に腫瘍を合併している場合。

手術後は速やかに機能亢進が解消されますが、入院が必要となります。当院では信頼できる提携病院の専門医をご紹介し、円滑な連携を図っています。

不妊症・妊娠とバセドウ病のかかわり

バセドウ病は若い女性に多い病気であるため、妊娠との関係は非常に重要です。甲状腺ホルモンが過剰な状態では、排卵がうまくいかなくなることがあり、不妊の原因の一つになることがあります。なかなか妊娠に至らない場合、一度甲状腺の検査を受けてみる意義は大きいです。

詳細については「甲状腺疾患と不妊」のページもご覧ください。

また、妊娠中にバセドウ病が適切にコントロールされていないと、早産や流産、胎児の発育への影響など、望ましくないその後の経過(予後)を招く恐れがあります。私たちは、将来の安全な出産を見据え、計画的に治療を進める「計画妊娠」を推奨しています。妊娠中のお薬の切り替えなどについても、専門的な知見からきめ細かくサポートいたします。

関連情報は「甲状腺疾患と妊娠」のページで詳しく解説しています。

院長より

バセドウ病は、適切な診断と治療を行えば、これまで通りの生活を送り、元気に活動できるようになる病気です。広島市中区の八丁堀で診療を続けて20年以上になりますが、当院には多くのバセドウ病患者さんが通院されており、その中には無事に元気な赤ちゃんを出産された方もたくさんいらっしゃいます。

江草玄士クリニックでは、日本内分泌学会に所属し、内分泌疾患の研鑽を積んできた私が、一人ひとりの患者さんのライフスタイルに合わせた治療計画をご提案します。特に甲状腺ホルモン値を院内で即日測定できる体制は、お仕事や家事で忙しい方にとって、その場でお薬の調整ができるという大きな安心材料になると自負しております。

「最近イライラする」「急に痩せてきた」「動悸が止まらない」といった症状に心当たりはありませんか。こうした不調は、決してあなたの頑張りが足りないせいではありません。甲状腺という小さな臓器のいたずらかもしれません。まずは一度、広電八丁堀駅から徒歩5分の当院へお気軽にご相談ください。専門的な視点からしっかりとお話を伺い、改善への道を共に歩んでまいりましょう。

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