動脈硬化について
動脈硬化は、血管の壁が厚くなったり硬くなったりして、血液の流れが滞ってしまう状態を指します。自覚症状がほとんどないまま進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれますが、放置すると心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。広島市中区八丁堀にある江草玄士クリニックでは、2000年の開院以来、動脈硬化や糖尿病、内分泌疾患の専門クリニックとして多くの患者さんと向き合ってきました。院長は日本糖尿病学会の専門医・研修指導医であり、長年広島大学医学部付属病院で培った臨床経験を活かして、精度の高い診断と一人ひとりに寄り添った治療を提供しています。私たちは、頸動脈エコーなどの検査を通じて血管の状態を「見える化」し、納得感のある医療を大切にしています。
動脈硬化の原因
動脈硬化は、たった一つの理由で起こるわけではなく、複数の要因が複雑に絡み合って進行します。血管の健康を損なう主な原因について詳しく見ていきましょう。
加齢と性別による影響
動脈硬化は、年齢を重ねるごとに多かれ少なかれ誰にでも起こる老化現象という側面があります。しかし、その進行スピードは生活習慣によって大きく左右されます。また、男性は女性に比べて比較的若い時期から進行しやすい傾向にありますが、女性も閉経後は血管を守るホルモンの分泌が減るため、急激にリスクが高まることが知られています。
生活習慣病による血管へのダメージ
動脈硬化を加速させる最大の要因は、生活習慣病です。特に以下の疾患をお持ちの方は注意が必要です。
- 糖尿病・・血液中の糖分が多い状態が続くと、血管の内壁が傷つき、修復過程で血管が厚く硬くなります。
- 高血圧症・・常に血管に高い圧力がかかることで、血管がその圧力に耐えようとして柔軟性を失っていきます。
- 脂質異常症・・血液中のコレステロールが血管の壁に入り込み、プラークと呼ばれる塊を作る直接的な原因になります。
各疾患の詳細については、「生活習慣病」のページや「脂質異常症(高脂血症)について」のページ、「高血圧症について」のページもあわせてご覧ください。
プラークと血栓の形成メカニズム
動脈の壁にコレステロールが沈着し、コブのように盛り上がった状態をプラークと呼びます。このプラークが炎症や高い血圧によって破綻すると、その傷を修復しようとして血液が固まり、血栓(血液の塊)が作られます。糖尿病患者さんや喫煙をされる方は血栓ができやすい状況にあるため、この血栓が血管を塞いでしまうリスクが非常に高くなります。
動脈硬化によって引き起こされる病気
動脈硬化が全身のどこで進んでいるかによって、現れる病気は異なります。血流が途絶えることで組織が壊死してしまう深刻な状態を招くこともあります。
脳や心臓の重大な疾患
動脈硬化が進行し、最終的に血管が詰まったり破れたりすることで以下の疾患が発症します。
- 脳梗塞・・脳の血管が詰まり、半身の麻痺や言語障害などを引き起こします。
- 心筋梗塞・・心臓に栄養を送る冠動脈が詰まり、激しい胸痛を伴うとともに命に危険を及ぼします。
- 狭心症・・心臓の血管が狭くなり、活動時に胸の圧迫感や痛みが生じます。
全身の血管疾患
心臓や脳以外でも、動脈硬化は深刻な問題を引き起こします。足の血管が狭くなることで、歩行時に痛みやだるさが現れる下肢閉塞性動脈硬化症はその代表例です。最初は休めば治まる痛みでも、進行すると安静時にも痛みが出るようになり、最悪の場合は足を切断しなければならないこともあります。また、大きな動脈が膨らむ解離性大動脈瘤なども非常に危険な状態です。
動脈硬化の処置や治療法
当院では、まず現在の血管の状態を正確に把握することから始めます。その上で、ライフスタイルに合わせた無理のない治療計画をご提案します。
精密な検査と診断
大きな病院に行かなくても、広電八丁堀駅から徒歩5分の当クリニックでは、以下のような高度な検査が可能です。
- 頸動脈エコー検査・・痛みもなく、実際に血管の中のプラークの様子を目で確認できる非常に有用な検査です。
- CAVI(血管年齢検査)・・動脈の硬さを数値化し、ご自身の血管が何歳相当であるかを評価します。
- 血管内皮機能検査(FMD)・・動脈硬化の初期段階である血管のしなやかさの低下を早期に発見します。
薬物療法
検査の結果、血管に強いダメージがある場合やリスクが高い場合には、お薬による治療を行います。主にスタチンと呼ばれるコレステロールを低下させる薬剤を使用しますが、これは単に数値を下げるだけでなく、血管内のプラークを安定させて破れにくくする効果も期待できます。
禁煙によるリスク管理
喫煙は血管をダイレクトに傷つける最も大きな悪影響の一つです。タバコを吸わない人に比べ、1日20本以上吸う方の心疾患死亡率は約7倍も高くなるというデータもあります。ご自身の健康だけでなく、受動喫煙によるご家族への影響も無視できません。当院では血管を守るための第一歩として禁煙を強くお勧めしています。
食事療法による改善
食事療法の基本は「適正なエネルギー摂取」です。当院では専門的なアドバイスを行っています。詳細は「栄養指導のご相談」のページもご覧ください。
- 動物性脂肪の制限・・脂身の多い肉や乳製品の摂りすぎは、悪玉コレステロールを増やします。
- 魚を積極的に摂る・・魚に含まれるEPAやDHAは中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする効果があります。
- 減塩の徹底・・塩分の摂りすぎは高血圧を招き、血管に負担をかけます。日本食はバランスが良い反面、塩分が多くなりがちなので注意が必要です。
運動療法の実践
有酸素運動は、血管の機能を改善し、動脈硬化の進行を抑えるのに役立ちます。ウォーキングや水泳、サイクリングなどが推奨されます。毎日30分程度の継続が理想ですが、まずは無理のない範囲で、歩幅を少し大きくして歩くことから意識してみましょう。日常生活の中で座っている時間を減らすだけでも、血管への良い影響が期待できます。
動脈硬化についてのよくある質問
Q1. 血管の硬さは元に戻りますか?
A1. 一度完全に硬くなってしまった血管を完全に元の状態に戻すのは困難ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって、進行を遅らせたり、プラークを安定させて脳梗塞などの発症を防いだりすることは十分に可能です。早期発見が鍵となります。
Q2. コレステロール値が高くなければ安心ですか?
A2. コレステロール値が正常範囲内であっても、喫煙や高血圧、糖尿病などのリスク因子があれば動脈硬化は進行します。数値だけを見るのではなく、一度頸動脈エコーなどで血管そのものの状態を確認することをお勧めします。
Q3. 検査にはどれくらい時間がかかりますか?
A3. 頸動脈エコー検査自体は10分から15分程度で終わります。痛みもなく、その場でモニターを見ながら結果をご説明できますので、お気軽にご相談ください。
院長より
私はこれまで広島大学医学部付属病院などで、糖尿病や動脈硬化の研究と臨床に長く携わってまいりました。その功績を認められ、2020年には日本動脈硬化学会より第37回大島賞を拝受いたしました。こうした専門的な知見を、地域の皆様の健康維持に役立てたいという思いで日々診療しております。動脈硬化は、早く見つけて対策を立てれば、決して怖い病気ではありません。しかし、治療を中断してしまったり、放置したりすることが最も危険です。
当院は、患者さんのライフスタイルを尊重し、無理に「あれもこれもダメ」と制限するのではなく、エビデンスに基づいた適切な処方と、続けやすい生活習慣の提案を心がけています。日本糖尿病学会の専門医・研修指導医として、合併症を未然に防ぎ、皆様の生活の質(QOL)を守ることが私の使命だと考えています。広島市中区八丁堀の便利な場所にありますので、健康診断で数値の異常を指摘された方や、将来の健康に不安をお持ちの方は、どうぞお気軽に江草玄士クリニックのドアを叩いてください。共に、健康な血管を守っていきましょう。
