甲状腺疾患が妊娠へ及ぼす影響について
バセドウ病や慢性甲状腺炎などの甲状腺疾患は妊娠可能年齢に好発します。
特に、妊婦の1,000人に1〜3人に甲状腺機能亢進症や機能低下症が合併すると言われています。
未治療やコントロールができていない甲状腺機能亢進症は流早産、死産、低出生体重児、妊娠高血圧症候群、新生児甲状腺機能異常などの発症リスクが一般妊婦に比較して高く、
未治療や治療が十分ではない甲状腺機能低下症も流早産、妊娠高血圧症候群、胎盤早期剥離、低出生体重児、児の発達へ影響が起こることがありますので、妊娠中に加え、妊娠前から適切な治療が必要です。
当院では、近医総合病院や産婦人科とも連携し甲状腺疾患の治療を行なっておりますので、ご不明な点があればお問合せください。
参考文献)
Casey BM, Leveno KJ : Thyroid disease in pregnancy. Obstet Gynecol 108 : 1283―1292, 2006.
日本内科学会雑誌 第103巻 第 4 号・平成26年 4 月10日